能力の低いペルチェ素子で作ってみた|メモ⑨

2022.08.05. 金 20:49

夏の水槽の水温調整に関するメモ⑨

前出のアイデアの「1. 能力の低いペルチェ素子を使う」を作ってみた。
アイデア草案:下の図のようなカンジ。
赤: ペルチェ素子
濃灰:ヒートシンク
青: 放熱ファン
浅葱:断熱材
灰: アルミプレート

図のようにアルミプレート(灰色)の両面を2枚のペルチェ素子(赤色)で挟む。
ヒートシンクもファンも小さなサイズにするため、モータコントローラを使用してペルチェの出力を下げる。
※ファンは常時フル回転、ペルチェ素子の出力のみ可変できるようにする。
ファンの風の向きについては、ヒートシンクにファンの風を当てる一般的な方法は熱風が拡散されて水槽に当たってしまうと思う。実際に稼働テストしてみて吸気で十分放熱できれば吸気方式を採用しようと思う。

2022.08.03
部品の一部がそろったので写真のようにプレートを加工して断熱材を接着した。
ここまでは設計通り。ヒートシンクはタイラップで圧着するつもり。
ファンの取り付けはホットボンドで接着しようと思うが、どうかな・・。

2022.0804
部品がすべて揃った。
配線の確認と、電流計やモーターコントローラのレイアウトを考える。
今のところ電源アダプタの筐体に接着する案が濃厚。

下の写真のレイアウトに決定。

ヒートシンク、ファンの固定方法を再び考える。本当はビス止めしたいが、ボール盤がないので穴の位置が合わないので別の案を検討中。
たぶんヒートシンクの溝にボルトを渡して表裏のボルトをタイラップで締めるのが簡単そう。
それと、まさかのケーブルの手持ちが足りなくてここまでしか結線できなかった。
明日、ケーブルなど入手して配線後テストする予定。

 

2022.08.05 完成した。

フル出力で動作確認。放熱排気は吸い込み。が、ファンから出てくる風が熱くない。ファンに近い部分の空気だけ吸ってしまっているようなのでアルミテープで吸気口を根元近くにスリット状になるようにしてみた。いくらか生暖かい風が出てくるようになった。

テスト結果:
・室温27度で水温27度だったが、1時間後の水温は、変化なし

冷えねぇ! 失敗だ! ちゃんちゃん♡

え~、原因は素子より大きなヒートシンクを使っていることだと思う。ヒートシンクの熱が冷却用のアルミプレートにそのまま伝わってしまってる感じ。素子とヒートシンクはもっと距離を離したほうがよさそうだ。
5mm厚の銅プレートを間に挟んでみようと思う。それでダメなら、次はやはり冷却用プレートを3mm厚の銅板にするとか・・。
そもそも今回のヒートシンクとファンの大きさでは、約 3A 出力のペルチェ素子でも十分に熱を逃がす能力はないっぽい。
※現状のままでなんとかしようとすると、放熱できるところまで出力を下げるしかないと思う。

追記:2022.08.06 —–
ヒートシンクについて、購入時の参考となるのは外形寸法と材質のみで定格などは記載されていなかった。そもそも定格があるものなのかどうか・・。ファンについても定格(風量)の記載があるものとないものがある。CPU クーラーやデスクトップパソコンの内部排気に使用するファン(12~20cm角)については風量が記載されていることが多いが、5cm 以下になると web 上で定格を公表しているメーカー製のもの以外は全く不明となる。安価な中華製のファンについてはサイズと駆動電圧しかわからない。販売業者は定格か実測値を記載する必要があると思うが、それらが不要なユーザーが多いのでしょうね・・。
当然ながら、ファンをヒートシンクに組み合わせた場合のエネルギーの変化については一切わからない。自身で実際に動作させて計測したデータから予想するしかなさそうである。
追記ここまで —–

 

改造する前に 9V でテストしてみるか・・。


出力計によると、9V で 約31W になる(ペルチェ素子 2個)。・・んまぁ、無駄なような気がするけど(笑)。

2022.08.06 1度下がった。ただ何時間経っても水温計は室温マイナス1度となっている。
ここでもう一度 7リットルの水を 1時間で 1度下げるために必要なワット数を確認しておこう。
7x1000x4.2=29400ジュール ←7リットルの水を1秒で1度冷やすために必要なエネルギー。
29400÷(60x60)≒8ワット ←7リットルの水を1時間で1度冷やすために必要なエネルギー。
※電力の100%が熱エネルギーとはならないため、これはあくまで計算値。素子の冷却能力は出力の約 3/4。
※実験してみた 9V、31ワット出力の冷却能力は約 23 ワット。廃熱処理や断熱処理が完璧で100%ロスがなければ約20分で1度下がるという計算結果となる。
冷却装置が現状のままなら、実験の結果から実際に必要なワット数は計算値の約 3 ~ 4 倍になると思われる。

※しかし、1度でよいならファンを水面に当てたほうがいい。今の冷却装置は電源のファンと放熱ファンの音がウルサイ。冷えないくせに。数十倍も違う電力量・・。なんとかせねば!

 

2022.0806 追記 —–
ヒートシンクが触れないほど高温になっているので妙なことを思いついた。ティッシュペーパーの毛細管現象を利用した水冷方法である。下の写真のように気化熱でヒートシンクの熱を奪う方法である。

セット後、数時間経過してもティッシュは乾燥していないので、冷却の役目は果たしていると思う。
ただ、相変わらず室温と水槽の温度差が1度以上になることはなかった。・・残念~!
ヒートシンクに貼り付けたティッシュを触ってみるときちんと冷却はできているようなのだが・・・・・アイデアとしてはよかったんだけどねぇ・・。

さて、次回は銅ブロックでヒートシンクを浮かしてみる予定だったが、この様子では効果が期待できなくなってきたなあ。どーするっ!?
追記ここまで —–

 


部品は以下の通り (猛暑日の 2022.08.02、秋葉原の千石電商で買ってきた。一部は Amazon )
・ペルチェ素子:TEC1-12703 3A/15.4V/28.3W ※12Vでは実測 3.6A 程度になるらしい。 2個
・ヒートシンク:50x70x20(mm) アルミ 2個
・放熱グリス接着材:サンハヤト 1液型室温硬化タイプ固まる放熱用シリコン SCV22 ※1
(・放熱パッド:4cm角0.5t 4枚 ※予備) ※1
・冷却ファン:PENGLIN 2PCS 5010 サイレント ブラシレス冷却ファン 2 ピン 50mm X 50mm X 10mm 2個
(・銅板:100x200x0.5(mm) を整形使用 ※2)
・アルミプレート:100x200x3(mm) を整形使用 ※2
・プレート固定用吸盤:小 3個
・断熱材:一般保温用クッションシート 30cm角 5mm厚を整形使用
・電源:CURE(キュア) 安定化電源 AC DC コンバーター 12V 40A 480W スイッチング電源
・プラグ付きACコード:ELPA 耐熱コード 片プラグ付 12A NC-20H
・電流計:DROK DC 6.5-100V 20A 直流 ワットチェッカー
・出力コントローラ:PWM 10A 400W DC モーター 速度 コントローラー モジュール
・その他:接着剤、ビス類、結束バンドなど。

※1:放熱パッドはグリスに比べて伝導率が高いらしいが今回はパス。
※2:現在使用中の銅板をそのまま使ってもいいけど、3mm厚のアルミ板を使うことにした。

 



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