RawTherapee

2010.01.06. 水 12:08

RawTherapee とは:
シェアウエアのRAW現像ソフトです。
デモザイクエンジンにオープンソースの dcraw を使用し、(特殊な一部のオプションは使えませんが、)これにありとあらゆるパラメータを GUI で与えられるよう使いやすさを目指して 現在もギンギンに開発が進められている非常にHOTな RAW 現像ソフトです。デモザイク方法に EAHD を選択した場合、同じ dcraw をエンジンに持つ他のソフトとは段違いの高画質出力が可能です。色調整は CIE L*a*b* Space を使って処理されるのでキメ細かな調整が可能です。

▼出力画像の比較:
dcraw(左)、photoshop(中)、RawTherapee-EAHD(右)

クリックで拡大(3366×1032 1.725KB) ※高画質で定評ある photoshop ともあえて比べてみました(原寸)。トーン調整をすれば見分けが付かなくなります。

RAW現像とは:
RAWデータは、デジタルカメラの撮像素子が光で反応した電気的アナログ変化をデジタルデータとして記録したものです。
カラーフィルタで分色して情報を記録するベイヤーマトリクス方式のデータ構造を持つRAWデータの場合は、RGBGの固定パターンとして記録されていますが、最低RGBの3つの素子で一つの点の情報が満たされるわけですから、Gのデータ量に比べてRやBはそれぞれ全体の1/4しかないので、厳密にはその解像度は1/4しかないことになります。
この少ない情報をいろいろな工夫でデータを「補間」 して・・・ま、平たく言えば、ないものからあるように見せかけてるのが、RAW現像ソフトの一番の役割となります。


RGBGのパターン


左が実際にRGBGのパターンで記録されている様子です。もちろんカラー情報なんて入ってません。カメラによって違いますがモノクロの12bitか14bitのデータです。右はモザイク処理後の画像。

で、その誤魔化す核の部分をデモザイクエンジンという呼び方をしますが、これをオープンソースとして発表した人が、この業界では超有名人のデーブ・スペクターさんですね。あ・間違っちゃいました。え~と、Dave Coffin(デーブ・コフィン)という人です。
この方のホームページに行くと、なにやら地味~なナンバープレートの画像が載ってますので、それによると、どうやらニューハンプシャー州にお住まいのようです。住んでいる場所と名前だけでは全く情報が足りませんので確かなことは言えませんが、ひょっとするとアメリカ人なのかもしれません。
そのDave Coffin さんの作ったDCRAWのソースをその昔にコンパイラにかけて、コマンドラインで現像した方は少なからずいたのではないかと思いますが、とにかく、与えるパラメータはかなり高い頭脳と数学の知識、想像力を必要とするもので、簡単には使いこなせるレベルにはならなかったのではなかったと思います。
しかも、このデモザイクエンジンはコマンドラインでパラメータを与えて使うというシンプルなもので、まぁ、我々のような一般ピーポーが使うには、それはそれは恐ろしく使い勝手が悪いということもあって、興味があっても使い続けるのを断念してしまった人がたくさんいるのではないかと思います。

でも、中にはこの DCRAW を使いやすくしようと考えた人もいて、このデモザイクエンジンそのものの出来が良かったせいもあって、インタフェースやパラメータの与え方を工夫して使いやすくしたソフトが少しづつ登場してきたんですね。
今ではたーーくさんのソフトが登場しています。

で、その中の一つが、みなさんがタイヘン興味をお持ちの「RawTherapee」というわけなんです。
※RawTerapee 2.4.1 はDCRAWのバージョン8.97を採用しています。また、2010年の1月現在で、またまた進化した RawTerapee 3.0 のアルファ版が登場しました。

メーカー製、サードパーティー製のRAW現像ソフトは数々あるけれど、RawTherapee はそれらに負けないどころか、タイヘンよい画を抽出してくれる今最も熱いRAW現像ソフトなんです。多少機敏さには欠けますが・・。

できれば RawTherapee だけでなく、dcraw (ディー・シー・ロゥと呼びます)も使ってみるといろいろおもしろいと思います。



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