DCRAW を使ってみる -2- オプションの解説
2010.01.25. 月 01:23
オプションの解説(dcrawMS.exe – ver.8.94)
- オプション<パラメータ>
- 使い方と解説
- -v
- Print verbose messages
|詳細な表示を画面に出す(警告表示もするので -v は常時使いましょう。)
- -c
- Write image data to standard output
|※直訳は「画像データを標準の出力に書き込む」ですが、サムネイルを作成するらしい
- -e
- Extract embedded thumbnail image
|カメラの作ったサムネイル画像があればそれを抜書きする(RAWデータではない)
- -i
- Identify files without decoding them
|入力ファイルを識別するだけ
- -i -v
- Identify files and show metadata
|入力ファイルのメタデータを識別(Exifデータのこと)。※デコードはしないこと。JPEGデータは識別しないらしい。
- -z
- Change file dates to camera timestamp
|タイムスタンプをカメラのファイル日付に変更する
- -w
- Use camera white balance, if possible
|カメラのホワイトバランスが利用できれば、それを使用する
- -a
- Average the whole image for white balance
|画像全体から平均的にホワイトバランスを決める
- -A <x y w h>
- Average a grey box for white balance
|グレーボックス内からホワイトバランスを決める<横位置 縦位置 幅 高さ>
- -r <r g b g>
- Set custom white balance
|マニュアルホワイトバランス <赤 緑 青 緑>
- +M/-M
- Use/don’t use an embedded color matrix
|埋め込まれたカラー行列を使用する/しない(初期値は+M。影響を受けるのはOlympas と Leaf と Phase One Camera らしい)
- -C <r b>
- Correct chromatic aberration
|倍率色収差<赤 青>(0.999-1.001 の範囲。0.999001とか使えそうだけど桁数までは未確認)
- -P deadpixels.txt
- Fix the dead pixels listed in this file
|デッドピクセルのリストファイルの指定 ※1(形式の説明は下にあります)
- -K <file>
- Subtract dark frame (16-bit raw PGM)
|減算用ダークフレームファイルの指定(16ビットraw PGM)※長時間露光時のダークノイズを低滅させるためのオプションでノイズを撮影したファイルを指定する
- -k <num>
- Set the darkness level
|暗部のレベル <数値>(黒レベルのこと。暗部のノイズが目立つ場合それを隠す為に使用する)
- -S <num>
- Set the saturation level
|飽和レベル <数値>(彩度調整。ハイライト修復でピンク色が強く出るようなら下げるといいらしい。未確認)
- -n <num>
- Set threshold for wavelet denoising
|ウェーブレット変換ノイズ除去のしきい値の指定 <数値>(リアルさを保持するためのしきい値 100から1000までを入れる)
- -H [0-9]
- Highlight mode (0=clip, 1=unclip, 2=blend, 3+=rebuild)
|白トビの処理指定(0=白のまま(初期値)、1=ピンクで残す、2=ブレンド、3から9=再構築)
- -t [0-7]
- Flip image (0=none, 3=180, 5=90CCW, 6=90CW)
|画像の回転 (0=なし, 3=180度回転, 5=90度左, 6=90度右)
- -o [0-5]
- Output colorspace (raw,sRGB,Adobe,Wide,ProPhoto,XYZ)
|出力色空間 (0=カメラの設定、1=sRGB、2=Adobe RGB(1998)、3=Wide Gamut RGB、4=Kodak ProPhoto RGB、5=XYZ)
- -d
- Document mode (no color, no interpolation)
|ドキュメントモード(色なし、補間なし)※RGBそれぞれに明度調整を行う白黒写真向きのモード
- -D
- Document mode without scaling (totally raw)
|スケーリング(明度調整)しないドキュメントモード(完全に生)
- -j
- Don’t stretch or rotate raw pixels
|生のピクセルを伸張したり回転させたりしない(Fuji Super CCD のためのオプション)
- -W
- Don’t automatically brighten the image
|自動的に画像を明るくしない(画像のヒストグラムを無視して、固定白レベルを使用)
- -b <num>
- Adjust brightness (default = 1.0)
|明るさ調整 (初期値 = 1.0)
- -g <p ts>
- Set custom gamma curve (default = 2.222 4.5)
|ガンマ調整(初期値= 2.222 4.5)
- -q [0-3]
- Set the interpolation quality
|補間処理の品質調整 ※2
- -h
- Half-size color image (twice as fast as “-q 0”)
|ハーフサイズカラー画像(-q 0 の2倍速い)
- -f
- Interpolate RGGB as four colors
|4色としてRGGB補間処理を行う
- -m <num>
- Apply a 3×3 median filter to R-G and B-G
|ノイズ除去。3×3のメディアンフィルタを適用する R-GおよびB-g<数値>(数値は実行回数。モアレ除去にも使えそう)
- -s [0..N-1]
- Select one raw image or “all” from each file
|1つのRAW画像かすべてのファイルに適用させる
- -6
- Write 16-bit instead of 8-bit
|16bitで保存する
- -4
- Linear 16-bit, same as “-6 -W -g 1 1”
|リニア16ビットとして保存する。”-6 -W -g 1 1″と指定したときと同じ
- -T
- Write TIFF instead of PPM
|TIFFファイルとして保存する。(PPMファイルの代わりとして)
だいたいはわかりますが、よくわからないオプションもありますね。
そういう場合は実際にやってみて効果がわからなければ調べてみましょう。
※1:-P オプション:逝ってしまったピクセルの指定方法とサンプル(deadpixels.txt)
1080 85 1128477600 # died 2005.10.05 11:00
2254 462 0 # i don't know! when this pixel died.... |
1080 85 1128477600 # died 2005.10.05 11:00
2254 462 0 # i don't know! when this pixel died....
上記のように、x,yの座標値の後にUNIX時間を記入する。
UNIX時間を入れることでそれ以前に撮影した写真には適用されない・・・と思うが未確認。
この指定により、周囲のピクセル情報から新たにデータを捏造するそうです(ゾンビピクセルと言うらしい)。
※UNIX時間についてはwiki-UNIX時間でどうぞ。|http://ja.wikipedia.org/wiki/UNIX%E6%99%82%E9%96%93
便利でありがたい「UNIX時間変換ツール」もあります。|http://f15.aaa.livedoor.jp/~invader/unixtime.php
※2:補間処理の品質調整(以下、未確認)
オプションなし
:dcraw の最高画質
-q 0
:バイリニア(低画質)
-q 1
:VNG
-q 2
:PPG
-q 3
:AHD(良画質)高速処理
注: MEGUI ではオプションなしが dcraw の最高画質という解釈をしているが、最良の選択としているが、じっくり比べてみても -q 3 との違いは感じられない。
コマンドプロンプト画面の詳細表示でも AHD と表示されている。たぶん、カメラによって最良の方法を自動で選んでくれるとか、そういうことだと思います。