s n a p


子どもの頃、我が家にはカメラというものがなかった。

  自分の赤ん坊の時の写真はわずか数枚しかない。
  近所の人が撮ってくれたものである。
  正方形フォーマットということと、その大きさから、たぶん
  二眼レフで撮影してベタ焼きされたものだと思う。

  おやぢとおふくろの若いときの写真は見たことがない。
  戦争で焼けてしまったのか、それともそれ以外の理由があったのか・・、生きているうちにちゃんと訊いておけばよかった。

実はその買ってもらった子供用のカメラは、我が家では初のカメラだったのである。
シャッタースピードも絞りもピントも、すべてが固定だった。
動かすことができるのは、シャッターボタンとフィルム巻上げノブ。
それと、裏蓋とそれを開閉するロック解除ボタンだけである。
(残念ながら、裏蓋が「裏」だったのか「底」だったのか覚えていない・・)

で、たいていのものは、シャッターを押すだけでちゃんと写った。
家族で江ノ島とか鎌倉へ遊びに行った時や、浅草の花屋敷で撮った写真はなんとなく覚えている。

  この頃は露出とか諧調とかそんな言葉を知らなかった。
  写真に関しては、全く無知で、
  どう撮ればどういう写真になる、なあんてことも知らなかったし、興味もなかった。
  「何か」が写っていれば満足していたのである。

写真屋のおぢさんが暗室の中で、職人芸で焼きを調整してなんとか見られるようにしてくれていたことを知るのは、
ずーーーーっと後になってからである。

  今のカメラはカメラごとに写真屋のおぢさんが入っているんだね~。すごいことだ。
  しかも、最新機種は個人の顔を覚えたりもするってんだから、てぇしたもんだ!
  これ、犯罪捜査にも応用できるんでしょ? すべての監視カメラにこれが仕組まれる日がくるかもね。

■D200 + Ai AF Nikkor 50mm F1.4D