[プラズマテレビをPCモニタとして使う]

2010.06.21. Mon 15:35

大型テレビをPCのサブモニタにしたので関連したメモを残しておくことに。
再生専用と割りきって使用するなら大画面の迫力ある画像が楽しめる。大型のフォトフレームだね。

※重大な設定を見落としていた。以下、変更箇所は赤字で表示

テレビ(パナソニックのプラズマディスプレイテレビ VIERA TH-P42V2)は家電製品である。色味などのチューンはテレビ鑑賞に適したもので、一般家庭ユーザに向けた調整がされている。工場出荷状態ではPCのモニタとしてはとても使えない画調(気にくわない!)となっているが、(厳密に色再現などにこだわらなければ)調整次第ではPCモニタとして十分 そこそこ 使用することができる。
※FHD(フルHD:解像度1920x1080) のPCサブモニタとして大画面高解像で写真のスライドショー再生などに利用できる。また当然だがPCに接続したDVDプレーヤやブルーレイディスク再生モニタとしても使うことができる。

◆グラフィックボードと接続に関して:
TH-P42V2 のPC入力端子は、ミニD-SUB 15P 端子での接続がメインとなっているが、これで接続すると解像度が 1366×768(WXGA60) までとなってしまう。グラフィックボードがFHDに対応しているなら迷わず HDMI ケーブルで接続して 1920x1080 の解像度で利用しましょう!
グラフィックボードの性能や仕様についてはPCで映像ソフト(コピーガードされているもの)や地デジ対応などのデジタルチューナーを使用しないなら、数年前のモデルの HDCP 非対応のものでもドライバの更新などでOKらしい(未検証だが変換ケーブルを使用することでOKとか)。
※自分の場合は「HDCP対応」及び「HDMI接続端子付き」という条件で安いグラフィックボードを探し、それ(nvidia gforce210を使用した “ASUS EN210″)に交換した。テレビとの接続にはHDMIケーブル1本で映像と音声が再生できるので面倒がなくてよい。

◆PCでの設定について
・グラフィックボードのユーティリティを使用して複数ディスプレイの設定を行う。
・色味や階調の設定はすべて初期設定状態にする。
※nvidiaの場合、NVIDIA コントロールパネルの「ディスプレイ最適化ウィザードの実行」から、テレビの黒レベル調整とグラフィックボードのガンマ調整ができるが、これをやってはいけない。基本的に「調整はグラフィックボードではなく、モニタで行う」べきであり、コンピュータのデータはいじらずに素通りさせるのが正しい。
 ちなみに、
 「NVIDIAコントロールパネル/デスクトップカラー調整」の値は以下のようになる。
  明るさ:50%
  デジタルバイブランス:50%
  コントラスト:50%
  ガンマ:1.00
  色相:0°
 「TV設定」は、
  デジタルカラーフォーマット:RGB ←特に重要。YCbCr444 にすると滑らかな階調は得られない。

※他のグラフィックボードの場合、設定方法は機種やバージョンによって違いがあるのでテキトーにやってね~。とにかくデータは無加工で「素通し」させることが重要です。グラフィックボードのユーティリティでの調整は禁物です(ただ、オーバーレイ表示は好みでいくらでもいじっても構いません)。
※グラフィックボードのチップは同じでも製造メーカーによって拡張機能などがある場合、なるべく拡張機能は使用しないようにします。デフォルト状態で余計なことをするメーカーもあるので少しでもおかしいと感じたら、メーカー製のドライバは止めて、チップメーカのドライバに変更しましょう。


NVIDIA製チップを使っている場合「NVIDIAドライバ・ウィジェット」のページが便利です。

TH-P42V2の画質調整
リモコンのメニューボタンを押し、「画質を調整する」から以下のように設定する。

映像メニュー:ユーザー
ピクチャー:0~10 ← もっと上げたほうが諧調のつながりが良くなる(部屋の明るさにもよるが、 15 が限度か)。
黒レベル:0
色の濃さ:-5
色合い:0
シャープネス:0
色温度:低-中
ビビッド:オフ
カラーリマスター:オフ
プロ写真:オフ
 超解像:設定不可
NR:オフ
HDオプティマイザー:オフ
エコナビ:オフ
明るさオート:オフ
テクニカル:入
 輝度設定:低
 輪郭強調:オフ
 ガンマ補正:2.0
 黒伸長:0
 Rドライブ:-15
 Gドライブ:-13
 Bドライブ:-30
 Rカットオフ:-15
 Gカットオフ:-13
 Bカットオフ:-30
 明るさ補正:0

◆TH-P42V2の画面調整
最初に、リモコンのメニューボタンを押し、「設定する」から
「初期設定」の「接続機器関連設定」を選択して以下のように設定する。 ※HDMIケーブルでPCからで接続した端子を選択する。

HDMI RGBレンジ設定エンハンスト
HDMI画質連動設定オフ

次に、リモコンのメニューボタンを押し、「設定する」から「画面の設定」を選択して以下のように設定する。
 垂直位置/サイズ:設定不可
 水平表示領域:設定不可
HD表示領域:フルサイズ
セルフワイド:ノーマル or ジャスト
ID-1検出:オフ or オン
ED2検出:オフ or オン
 3次元Y/C分離:設定不可
 480pマトリックス:設定不可
ブランク輝度設定:オフ
サイドカット固定;オフ
 デジタルシネマリアリティ:設定不可
 24pフィルムダイレクト:設定不可

以上。まずはここから微調整すればPCモニタと感覚的なズレは少ないと思う。

TH-P42V2とPCをHDMI接続
※調整途中に撮った写真。イエローとオレンジがうまく再現されてない。

個人的な評価:
・TH-P42V2 の色再現性は決して花マルはあげられない。
「VIERA 最高画質(2010年2月)」のV2と言えどもモノクロやモノクロに近い写真のグラデーションはきちんと再現できていない。それと一般的な液晶モニタの標準sRGBと同等の色味にすることは難しい。いくら調整しても、発光体固有の、そして駆動ドライバによると思われる色味のクセまでは取り去る(調整する)ことはできない。
このディスプレイは写真画像の編集加工をするような用途には向かないが、最大18bitの階調再生能力は数年前の製品とは一線を画すものであると言っていいと思う。ただ、トーンのつながりでおかしな表現になることもある。
※モノクロの階調をきれいに見せるのは、TH-P42V2 の画質調整で「リビング」や「オート」のデフォルトを選択するのがいい。ただ、色味が気にくわない。いかにも”電気屋の好みそうな色”になってしまう。色温度が高いと一見クールな印象を受けるが、撮影時から現像までsRGBの色空間を意識しているので微妙なニュアンスが出ないのである。ここに載せた「ユーザー」の設定値は、写真全体のニュアンスを重視したもので、ものによってはない色が見えてしまうこともあるが、結局、どちらがガマンできるかということだね。
・また、写真でもわかる通り、表面パネルの反射は「かなり抑えられている」とは言っても環境によっては気になるというレベルを超えている。
表面処理加工の方法でもっとよくなる可能性はあると思うが、製品価格とのバランスなどであまり高価なノングレア加工は採用できないのだろうと思う。技術的にはとっくに解決されているんだろうけど・・。(ちなみに下位機種のTH-P42Sではもっと表面反射が激しい)
・それともうひとつ、避けて通れない問題がある。プラズマの消費電力である。最近のLED液晶テレビと比べると約3倍近く消費電力が高いのだ。ま、これは最大消費電力で、全白画面でも表示しない限り、昔と違って液晶との違いはあまりないそうである。が、387Wというカタログスペックを見る限り、あまり長時間使いたくない周辺装置である。画像を一日中流すような使い方はしないほうがいいね!
※実際の消費電力を調べてみたいが、ログのとれる計測器は3万円以上もする。もっと安く作れると思うけど・・。
・発熱に関しては全く問題ないレベル。数時間点けっ放しにした後でパネルのあらゆる箇所に手で触れてみたが暖かく感じる箇所は全くなかった。PCの液晶モニタの方が全然熱い。(追記:昼間ずっと点けっ放しにしていたらさすがにディスプレイ表面に近づくとかなりモワっと熱を感じた(室温29度)。本体後部は冷却ファンが3個あるのでさほど熱くはならないが、この時はパネル左側の裏が少し暖かくなっていた)。
・TH-P42V2 はアクトビラからインターネットブラウザが利用できることになっているが、ナント! そのブラウザの解像度は WVGA (800×480) というなんともお粗末なものである。今時、800×480で閲覧に支障のないページなど皆無に等しく、とても通常の用途としては使えない。また、java スクリプトや flash もサポートされていない。どういう仕様になっているのか未調査だが、スクロールバーも表示されないので、もしアクトビラのブラウザ用にページを制作するなら工夫が必要になるだろう。

追記:PC販売店と家電販売店の店員は、双方ともPCとテレビの接続についての知識及び経験は99%ないと言っていいので、店頭であまり質問などしないこと。ま、階調が18bit(*1)しかないことや、とにかく余計なことを勝手にする(色をきれいに見せようとする)ナントカエンジンがデフォルトで搭載されている限り、写真のモニタとしてはまだまだ使える段階ではないかもしれない。
その昔、色彩評価用のディスプレイが300万円以上もしたが、今でも40~50インチでまともなことをやろうとするとそのくらいの値段になるのかもしれないね。近い将来、10万円クラスでも32bitの階調表現を持つPCモニタ兼用の大画面テレビジョンが製品化されるでしょう。

・・それにしても有機ELパネルは大型のものが出てきませんね・・。曲面スクリーンや天井、床にペラっと貼ったり、風呂場の壁タイルに貼りつけて富士山のペンキ絵もどきを見ながら湯に浸かりたいんですが・・。

*1:18bitと言ってもペイントソフトなどで均一なグラデーションのデータを表示させない限り、マッハバンドが露骨に出るようなことはない。カラー写真のデータならほぼ問題ない。
フルカラーの画像と、同じ画像をphotoshopで18bitに落とした画像を比較表示してみたが、18bit(RGB各色6bit)以上の階調表現力は持っているのだ。カタログスペックのMAX18bitの意味がよくわからなくなってくる。偽色が出てしまうのはRGBそれぞれの階調にクセがあるだけなのかもしれない。
これは時間のあるときにサンプルを作って実験してみます。
それと、全画面白を表示させてみると、色ムラが僅かに発生します。青みがかったり、黄みがかったり、微妙にムラが出ます。これがプラズマの素子のバラツキなのか、電気的(回路的)な問題なのかどうかは全くわかりません。とにかく、「最高画質」という言葉はどうやら広告屋の考えた一般人に向けた販促キャッチフレーズで、やはりテレビは家電製品であるという本質を見失うことは決してないようです(笑)。

追記:2010.08.07
その後、モノクロ写真やお気に入りの階調の画像をサンプルにして TH-P42V2 の画質調整を「階調表現重視」で調整してみました。
その結果、TV側の「色温度」が「高」の場合に偽色やマッハバンドが現れにくいことがわかりました。モノクロの写真ではかなりきれいな階調変化を楽しむことができるのではないでしょうか。偽色の発生は限りなく目立たなくなります。
このことから推測できることは、やはりプラズマの発色に得意な色温度というものがあるということですね。色温度を変更するモードがありますが、「色温度”高”以外では諧調再現能力は落ちるけど、それでもよければ使ってみれば?」ってなメーカーの姿勢を感じます。今のところ、RGB各素子の駆動ドライバの調整ぐらいでは、「高」以外の色温度の場合に滑らかな階調は再現できないという結論に至りました。
※階調重視で滑らかなグラデーションを表示したい場合、TH-P42V2 の画質調整で「リビング」の色温度を「高」にするといいようです。もちろん、sRGB の色空間で調整した色表現の写真を再生すると、かなり別の表現の写真になってしまいます。中には「これはこれで新鮮でいいんじゃないの!?」なあんて思う人もいるかもしれませんが、私は生理的にもダメでした(慣れの問題かもと思ってしばらく観ていたんですけどね)。

※ハッキリしたことはわかりませんが、5,6年前のモデルがRGB各色1536階調を持っていたということですので、TH-P42V2 の18bit階調表現というのはRGB各色の階調らしいのです。もし、そうだとすると天文学的数値の階調表現能力があることになりますが、まぁ、この数値は内部的なものでしょうね。見た目には各色8bit以下にしか見えません。どこかにこのカタログスペックと見た目の階調表現の違いをわからせてくれるヒントがあると思うのですが、ネット上ではきちんと記述している記事を見つけることはできませんでした。ただ、ヒントになりそうなキーワードに「累積時間差による階調表現」というものがありまして、これがどうやら全く関係なくもないような感じがします・・・。動画再生がメインのテレビ受像機ですので、ここらあたりの技術を知る必要があるかもしれませんね。

追記:2010.08.11
画面表示がチラついて、新品のはずの VIERA TH-P42V2 がまるで中古で買ったモニタになってしまったかのような非常に残念な気持ちになる背景パターンがあります。PCのモニタはテレビ映像を十分すぎるほど楽しめますが、「テレビはPCのモニタにはなれない」ということが確認できます。
▼チラつきサンプル画像。TH-P42V2 で(ブラウザを全画面表示にして)見てネ!
サンプル画像
・・細かなドットパターンの再現が苦手のようだ。グラデーションに弱いのもここらあたりが関係しているのかも。

一部修正:2011.01.20
追加修正:2011.06.27

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